大学の組織第38回日本医学哲学?倫理学会大会(2019年11月、奈良県立医科大学)物理実習室にて 哲学教室の構成員は私一人であり、以下の記述も専ら私(池辺寧)にかかわる事柄である。 この10年、日本医学哲学?倫理学会の種々の活動に従事した。2016年2月に開催された同学会主催の科研費?研究成果公開発表(B)「公開講座「生命の始まりへの介入はどこまで認められるか―卵子提供?代理出産?出生前診断?着床前診断―」」に、企画?実施の担当者として関わった。2019年11月、私が大会長となり、「哲学と医学の対話」を大会テーマに掲げ、本学を会場にして第38回日本医学哲学?倫理学会大会を開催した。さらに、編集委員長(2016年?20年)、副委員長(2014年?16年、2023年?26年(予定))として、同学会和文機関誌『医学哲学 医学倫理』の編集?発行に携わっている。 私の主な研究テーマはハイデガー哲学と医学哲学?医療倫理学である。この10年の主な研究業績として、論文には「ハイデガーの科学論―科学の脅威―」、「ハイデガーの医学観」、「臨床倫理教育のあり方 昭和33年5月の本学進学過程発足と同時に設立された物理学教室は、10年前の平成27年4月の時点で3名のメンバーから成っておりました。このうち平井國友教授が平成30年3月に定年退官され、以降は藤本雅文准教授(同年8月より教育教授)、高木拓明講師の2名で担当しております。教室設立当初より理論物理学のの研究室であり、また正統的な物理教育を受け継いでおります。 教育面では、反転学習、形成的評価の導入などがこの10年での新たな試みとなります。現在、教養教育課程は1年で行われております。前半の基礎物理学?同演習を知識伝授型として、後半の基礎物理学実験と選択科目を体験型または発展型学習と位置づけ、医学における準備教育を念頭に授業を提供している点はこれまでと同様です。少人数での運営になり、他大学との交流に助けられている部分が少なくありません。特に、奈良教育大学との相互協力は20年以上に渡り続いております。松下勝義先生(現在広島大学)は長く非常勤講師としてお世話いただを考える―倫理学教員の立場から―」、「災害とともに生きる―来たる「明日」に向けて―」など、著書(いずれも共著)には『いまを生きるための倫理学』、『看護職?看護学生のための「痛みケア」』などがある。この10年では2度、研究代表者(単独)として科研費(基盤研究(C))の交付を受けた。2020年度?22年度には科研費の審査委員(基盤研究(C)?思想史関連)も務めた。 私は現在、「医療に関わる倫理学Ⅰ?Ⅱ」(1年次?医看合同科目)をはじめとして、学部、大学院のすべてにわたって倫理に関する科目を担当している。本学における倫理教育の一端を担う職責にあるという自覚のもとで、日々の講義を行っている。また、学内において、臨床研究審査会、医の倫理審査委員会、治験審査委員会、病院倫理委員会などの委員を務めているが、医科大学に所属する哲学?倫理学の研究者としての責務だと自覚し、委員に就いている。いた後にご発展遂げられ、これは最近の喜ばしい出来事の一つとなりました。奈良女子大学から北出智巳先生、奈良先端科学技術大学院大学から釣優香先生など女性の非常勤講師が加わり、教室にこれまでにない雰囲気を醸し出しております。 研究面でも着実に成果があがっており、藤本は臨界現象?繰り込み群において発見した代数幾何学的な構造に着目して研究を進めております。高木は、分子や細胞の時空間的な動態とゆらぎに注目して、その機能的意義を探る生物物理学の理論的研究を進めております。これら本教室での研究は物理学分野にこれまでにない新たな知見をもたらすものです。 さて、搜狐体育直播app下载の時代になりプランク定数を用いた新たな単位系が導入されました。物理の分野では一足先に次の時代に突入した感があります。物理教室は本年4月に新キャンパスに移転となりますが、これが次の10年に向けての教室の更なる発展をもたらすものと期待されます。19教養教育 哲学准教授/池辺 寧教養教育 物理学教育教授/藤本 雅文
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